はらり、ひとひら。
見とれていると、その木には札らしき
ものが貼ってあった。
「…?」
狂い咲きの桜の木は、我が家のお墓のちょうど向かいに位置していた。
「・・・誰かがイタズラしたのかな」
───べりっ。
深く考えず札をはがすと、辺りは一面
水色の光に包まれた。
「──っ、今度はなに!?」
私もしかして、何かヤバイこと
してしまったんだろうか。
目を開けているのもままならない
くらいに強い光。
「よくぞ私の封印を解いてくれた。
感謝するぞ小娘」
声。