はらり、ひとひら。
どんな結末になろうとも、彼女だけは。
目を閉じた。心は不思議と凪いでいた。ほの暗い闇が視界を埋めていた。
『だかラ鬼って呼ばれるンだヨ』
─飛び跳ねた。
「!? ここは…」
気が付けば目を開けても閉じても、真っ暗な闇に包まれていた。辺りを見回しても、さっきまで目の前にいた灯雅すら見当たらない。
おかしい。ここは自分の部屋じゃない。
「…何が起きて」
『あのコを助けルためなら、他の誰カを見捨てるノ?』
けはけはと嘲る声に心がざわつく。いけない。妖にとりつかれたか、空間に閉じ込められたか─
どちらにせよ油断した。早くここから出なければ。
『お前はずルいね。そうヤッテ自分を正当化しテ、いつでも澄ました顔ヲする』
「姿を現せ。斬ってやる」
『だが本心ハ違うだろウ? あの子ヲ守るためナら、お前ハ誰でも斬れるんダ。─ソう、例え味方だって、家族だって、友達ダッテ」
闇を裂いた。銀色の刀身がずばりと闇を裂くのが。
巨大な闇にわずかな亀裂が入ったが、すぐに縫い合わされるよう元通りになってしまう。
『無駄ダよ。お前ハ一生ココから出れない。これじゃああのコを救うなンて、夢のマタ夢だなァ』