[完]大人の恋の始め方
あたしの学校の体育館は、2階建ての、地下1階がある造りになっている。
広さは、バレーコートが2個を余裕で作れる。
さすがは、日本トップレベルの私立校だ。
あたし達が2階に着くと、丁度試合が始まった。
「どことどこ??」
あたしが試合を覗こうとしたとき、物凄い奇声が体育館を包んだ。
まるで、大翔先生のときのように。
「な~んか、ヒロ先生より人気者がいるみたいだね?」
友は、あたしの心がわかったかのように、冗談混じりに笑った。
こんなに、自然にしてくれるから、あたしは今学校に来ていられるのだと思う。
「ふふっ。そうだね」
「っにしても、誰がこんな注目されてんのかなぁ?」
と、周りをキョロキョロする友美。
そして、知り合いを見付けたらしく、その子の肩を叩く。
「ちょっ何?って、友美じゃーんっ!」
「よっ!今何騒いでるの?」
友美が話し掛けたのは、これまたけばけばしいお姉様。
「何って…計くんを見にきたのよ」
「え?…計?!」
あたし達は、驚いた表情で顔を見合わせた。
まさか、あの計くん…?