[完]大人の恋の始め方
「なぁに?計くんを知らないの??」
知り合いさんは、驚いたようにあたし達を見る。
「え、計って、真中計?!」
友美が尋ねると、「当たり前じゃーん」と笑う知り合いさん。
え…計くんって、こんなに人気なんだ。
確かに…、カッコイイけど。
「杏里、1-Bと3-Dが試合してるみたい」
「え!?3年生??」
でも、ここまで勝ってきてるって事は、計くん達も強いんだ。
「てゆーか、あれバスケ部のエースじゃん」
友美が指差す先には、3年生のエース。
うちのバスケ部は、結構有名どこ。
勝てるかなぁ…?
一回は心配したが、そんな心配とは裏腹に、計くんは、どんどんシュートを決める。
計くんがドリブルをするたび、ターンをするたび、シュートをするたびたびに、女子の奇声が上がる。
「へー、あいつ凄いじゃん」
友美も、驚きつつも応援している。
「バスケ部のエースさん、どうしたんだろうね?」
「ただたんに、計の方が実力が上って事じゃない?」
確かに、見ているとそうだ。
さっきから、計くんがフェイクとかを巧に熟してエースを抜いていく。
でも、なんでそんなに強いのかなっ…?