さらば、ヒャッハー


「そいつは瞬殺ものだからよぅ――って言ってもふゆっきーは開けちゃうだろうしぃ、そしたらてめえ助けたことが無意味になるしなぁ。あー、『何もいねえから、襖の向こうは』」


撤回は先ほどを無駄にするに違いなくも、あれは説明上のことで必要だったと無駄手間ではない。何よりも、生かしたのに瞬殺するのが惜しい。


俄然、冬月に興味が湧く。イっちまった精神がとても、自分と、よく似ていて。


「次会うときゃあ、もっといい余興してくれよぅ」


「二度と会いたくありまへんわ、性悪」


「早死にすんのを祈りますぅ、冬月痛めつけた倍の痛みで死ねや」


冬月が襖を開け、後から出た秋月が襖から閉めようとする。


行ってしまう二人。もう二度とここには来ないだろう。藤馬が週二で来ると聞いた以上、鉢会わせないためにも。


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