さらば、ヒャッハー
憶測に過ぎないものも、近く――と言っても、徒歩で一時間はかかる村で話を聞けば、確かにカヤノヒメ様を祀る血筋の者はいた。
憶測が確定化し、早速出向けばこんな時間。徒歩一時間がきつかった、バスが通らないならば仕方がないにしろ、そこから更に山登りとなれば根気が滅入る。
「冬月、大丈夫どすか」
杉の木に手を当てて止まる冬月の背中を秋月は撫でた。
狐面で顔は見えないものの、辛そうというのは肩を上下して息をしていることから分かる。
「ごめ……、にいさんの手、煩わさないって、言った、のに……」
「いいんどす。冬月ばっかり頑張らせなあかんなんて、兄ちゃんは嫌なんやから。狐面外しぃな。息、しづらいやろ」