さらば、ヒャッハー
秋月が冬月の面を顔からズラす。耳上に置き、着物の袖で冬月の汗をぬぐった。
「兄さん……」
目頭が熱くなるほどに冬月には身に染みる優しさだ。――ああ、兄さんが触れてくれる、心配してくれる。そんな感激がある度に、冬月は秋月に過大な愛を感じるのだ。
本来ならば、兄さんに抱きつきたいものの、兄さんとて疲れているはず。自分がじゃれることで重みなり邪魔になっては迷惑がかかると、出そうとした手を止めた。
「兄さん、ごめんなさい……。僕が、何とかしな、あかんのに」
「何言うてん、冬月。言いましたやろ、冬月一人には任せへん。僕は冬月の兄ちゃんやから。とっとと斬って、このザコキャラも起きがけに制裁しますえ。ここまで僕たちにさせたんどすから」