さらば、ヒャッハー


ザコキャラの部分で、秋月が持っていた手提げ巾着を揺らした。


黒地に金魚の模様がある和柄。買い物ようの大きさだが、中身は溝出のしゃれこうべと肋が数本だけ入っていた。


公共の場に出るにあたり、さすがにゴミ袋で骨入りはまずいのでカモフラージュも兼ねての手提げ巾着だ。


溝出をそのまま入れたわけではなく、ゴミ袋ごと。口が開いた巾着の隙間からは黒いビニールが見えた。


「兄さん、もう大丈夫やから、僕が持ちますえ」


「ええから。かすかすの骨やし、重くあらへんわ。――ああ、でも、どこかで一休みしよかぁ。野槌がどこにおるのかも妖怪に聞けへんし、長丁場になりますさかい」


秋月の言い分はもっともだ。かれこれ、山に来てから30分ほど経つが野槌らしき妖怪はいないし、他の妖怪とて秋月たちの前に姿を現さなかった。


< 115 / 237 >

この作品をシェア

pagetop