さらば、ヒャッハー


特に何か言ったわけではない。ただし、黙認たる意志疎通が冬月に“二手の役目”を譲渡した。


秋月の一手から冬月の二手、連なる連携は怒濤であり容赦ないながらも、ひどくしとやかさを交えている。


慎ましやかに、音もなく、気づけば枝から葉を落とした一風のように。


総評して、美しかった。しかして、その分、残酷だった。


冬月の二手はとことん深くの文字が表現されているようだ。


怯んでいる野槌の体、口横の人間で言えば、頬の部分に蜘蛛切りを突き刺す。鍔に当たる肉、鞘代わりとなった肉に収納されし刀。


刺突ならば確実に体内の内臓も傷つけようが、何分、相手は巨大で異形。心臓に届くかも、果てはどこにあるのかさえ分からない。刺突してまだ絶命しないならば、“ここではない”のだろう。


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