さらば、ヒャッハー


居合い。
最速なる抜刀術は、縦一線の見事な溝を作り上げた。


吹き出す血、緑色なのは異形たる所以にせよ、血の量からしてまだ浅い。


通常、最速を付属させた居合いは、一の太刀ではなく、二の太刀で相手に止めを刺す、いわば、単なる先手だ。


速い分、浅い。無駄な力を加えない速度だからこそ、力を割って、速さだけに集中したものは、これぞといった致命傷は与えなかった。


それでもデカブツな分、血流がいいらしい。人間では見れない緑血が山川の色を変えるほどに噴出した。


「い、あぁぁっ」


ごろりと後ろに転がり一回転する筒型の体、痛みに悶絶するさまは、炙られた幼虫みたいだ。まだ致命傷ではないただの切り傷を、このあと、どう生かすかは秋月が決定付けるが――あえてそれは、後方にいた冬月に任せた。


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