さらば、ヒャッハー


藤馬にしてみても、特にもう好きにやってくれといった感じだった。この人はこの人で好き勝手やっていくだけ。来たならばある程度の会話ともてなしを少々。


嫌な小悪党でも、それでもだ。こうして来るのならば、追い出しはしないし、無下にもしない。


基本、渉は来るもの拒まずだった。故に、渉から誰かに手を伸ばすことはしない。


ただそこに、いたんだ。


――こちらがどんなに遠ざかろうが。


「“わたるんの周り”もだいぶ、賑やかになってんじゃねえの?」


「……っ」


心を見透かす魔法使いが、にたりと笑う。


思わず見れば、藤馬は阿行の脇に手を通し、自分のあぐらかいた足上に乗せていた。


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