さらば、ヒャッハー


阿行の視線を自分と同じ方に、後ろから抱きつき、顎を阿行の頭頂部に乗せて、ご満悦そうだ。


阿行は溝出を抱っこしたまま、訳もわからず、嫌そうな顔をしながら動かない。


「いーね、その顔。俺はどこぞの救世主と違って、きちんと視えているわけじゃねえが。まあ、呪法師なんて肩書きな分、推測はできんだわ。

顔は口ほどに物を言うってか。隠すのが得意なわたるんにとって、分かられたら、そりゃあ、気持ちがぐちゃぐちゃになるよなぁ。

どんな気分だ?一人じゃなくなった気持ちは」


蛇みたいな舌が、渉の焦燥を舐めずるように動く。


藤馬は根っからの性悪だ。そうして、人の心理をもてあそぶ。


饒舌に快活に、心に土足で踏み込み闊歩するほどに、藤馬は人の心理をいじくる。


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