さらば、ヒャッハー
(二)
狐に化かされた気分だった。
この光景はそうとしか思えない、秋月たちにとってはひどく現実離れしたものだった。
石段を上りきり、お堂のような物を連想したに間違いはなく、実際、山の中にそんな建物はあった。
知り合いの巫女がいる神社に近い作りにしろ、立派と言えばそう。石畳で舗装された参道も、昔はそういった神域だったのだろうと想像に難くない。
参道横にある規則正しい配列の灯籠もなかなかに風情あるではないか。古き日本の文化だと感嘆してもいいが、それらを気味悪いとするものがあちこちにあった。
「風車(かざぐるま)……」
その名を呼ぶ冬月に応えたわけではないが、あちこちに突き刺された風車がかさかさと音を立てて回っている。