さらば、ヒャッハー
赤い四枚羽。一本や二本ならまだ許せたが、数えきれないほどとなればどうか。
石畳の参道にはないにせよ、むき出しの地面にはところ狭しと並んでいる。
作物のように並んでいるものあらば、雑草のように不規則なものまで。
かさかさという音が同時に聞こえ、虫の大行進の音にさえ聞こえた。
「お疲れさまです。ここが僕の家です」
歩いてついてきてくれたことに労いをかけた渉が、さもこれが当然と進む。
進むのだ、“まったく同じに回る風車”を見向きもせずに。
「わたるんはん、これは……」
たまらず秋月が聞けば、内容が薄くとも意味を捉えた渉はしれっとした感じで。
「その魔法使いの計らいですよ。もともとこの土地は、地主に招かれない限り来ることができない――住人以外が来ることが不敬だと、人を寄り付かせない神脈でしたが、更に来にくくしたそうです。
魔法使いに訳を聞けば、『こーんないい場所、他の奴らに知られたくないじゃん。風車好きだし』と、独占心と趣味でしたそうです」