さらば、ヒャッハー


秋月にはそも、冬月の言っていることが理解できていない。


秋月の視点でなれば、刀を抜こうとした冬月がいきなり苦しみ出した。


痛みで身を焦がす体は、挑発めいたことをする藤馬がやったと合点しての怒りだったが。


秋月には右手に固執していた冬月の心情など――いいや、“思い込み”など知りやしなかった。


「はいはーい、これで終いな。今は何もしねえでやるから、今度こそ仲良くやろうや。何なら握手でもするぜえ」


にへらにへらとした藤馬に、秋月は殺意が芽生えたが、また冬月に何かあったらと手出しができない。


何かあったの『何か』が分からないのだ。


不明瞭は未知であり、未知が脅威となり、脅威を被った者をわざわざ敵とするわけにもいくまい。


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