さらば、ヒャッハー
手も足も出ないだなんて、奥歯でも噛むことだが、冬月の身を案じれば、噛む奥歯とて三秒で緩まる。
秋月にしてみれば、刺激しない方がいいと判断し、この男に対して気の緩みを持ってはいけないと警戒の紐をきつくした。
「貴様……、僕に何をした。もし、兄さんに何かしてみろ。必ず殺してやる……!」
「冬月……っ」
「あーらら、兄ちゃんの方は大人しくする気みてえなのに、なに?まだ遊び足りないってか?腕が飛んだ奴のセリフじゃねえよ、それ」
「貴様が何かした以上、兄さんにだって手を出すだろうが。僕はそれを許さない。腕が飛ぼうがなんだ?くれてやるよ、右手だろうが、左手だろうが。ダルマになったとしても、貴様の喉元に噛みつく。
いいか、兄さんに何もするな。そうして舐めてかかるなよ。今の痛みなら、兄さんが傷ついた時の痛みよりも生易しいんだからな」