甘い満月~Sweet Full Moon~
「で、どうなったの??」

翼は返事を待ちきれないと言った感じで、
ソワソワしている。

「明日会うことになったよ」

「マジで?????!!!!!」

翼は私が振ると思っていたらしい。

「うん。一応デートしてみる事にした。芯くんちょっとかわいいしね。
翼とタメってなんか気ぃ引けるけど、いい加減彼氏の一人や二人いても
いいでしょー」

「まぁねー姉ちゃんかわいいのに彼氏作んないんだもん。俺、姉ちゃんレズかと
思ってたし」

と笑う翼。

弟にかわいいなんて言われてちょっとテレる私。

「で、今日は何してたの?こんな遅くまで!」

「いやー酔い覚ましって事で良泉橋でずっとしゃべってたの。芯くん、最初私見た時
からずっと好きだったとか言ってたけど、それ本当?私最初に芯くんに会った時の事
全然覚えてなかったんだけど!」

「あー、俺らが一緒に帰ってる時に姉ちゃんと駅前で会った時っしょ?好きって
聞いたのは最近だけど、そん時も、姉ちゃんの事かわいいって言ってたから、本当じゃん?」

ちょっと嬉しいかも。そんな前から思ってくれてたんだ。。。
それは、翼が高校に入学して間もなくだった。
クラスの子達何人かで翼が帰ってる時に会って、でもその時は悠樹君以外全然覚えて
なかった。。。

「芯いい奴だし、結構俺と張るくらいモテるから姉ちゃんやったじゃん!女の敵一気に
増えるんじゃない??」

小悪魔の様な笑みを浮かべる翼。

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