甘い満月~Sweet Full Moon~
「リカちゃんいこ?」

昨日の様に手を差し出してくる芯くん。

私はまだみんなが残っているにも関わらず、芯くんと手を繋ぎ、校門まで歩いた。

みんなの視線を感じる。

誰だって、新しいカップルができる度に注目してしまう。

それに、一年と二年なら尚更である。

私はこの時、緊張のあまり、周りの女の子達の視線の中に、
一人、他の子達とは全然違う、その視線に、その視線の持ち主に、全く気づかなかった。

< 45 / 122 >

この作品をシェア

pagetop