甘い満月~Sweet Full Moon~
校門を出て、しばらく歩いていると、芯くんが、私の手をぎゅっと強く握った。

「どうしたの?」

いつになく真剣な芯くんの表情。

「俺、やっぱリカちゃんを自分のものだけにしたい。俺年下だし、頼りになんないかも
しれないけど、いつまでもリカちゃんとずっと一緒にいたいし、リカちゃんだけのものになりたい。」

「芯くん・・・」

「実はさっき、他の体育委員が帰って行ったのに、リカちゃん達だけ遅いから、
南先輩に待っててもらって、様子見に行ったんだ。あの、岡田先輩?リカちゃんに告ってたでしょ?先輩俺の事見て、リカちゃんの腕掴んでた。 でも俺、彼氏でもなんでもないから、なんにもできずに南先輩の所戻ったら、今度は南先輩が様子みに行くって言って・・・」
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