甘い満月~Sweet Full Moon~
駅前が見えてきた。
うちの地元の駅は、都心からちょっと離れているけれど、
都心に出なくても充分楽しめてしまう。
女子高生だったら、カラオケもあるしゲーセンもあるからプリクラも撮れるし、
ファミレス(友達と語るには必須な場所)も何軒もある。
高校生だって飲むよね。普通に。居酒屋も何軒も立ち並んでる。
一番欠かせないのがお洒落かな。うん、充分お洒落できるくらい
いっぱい服屋さんがある。友達もたくさんバイトしてる。

ダンキンの前に着いた瞬間気づいた。
家を出てから翼に電話するのを忘れた!親と、あの懐かしい風のせいだ!

携帯を見ると、やっぱり。2件の着信。
1つはもちろん翼から。でも、もう1件は知らない番号。

誰だろう。。。?

なんて思っているとダンキンの中から翼と悠樹君と、その他に見たことあるけど
ほとんど面識のない2人の男の子がいた。

「姉ちゃんまた寝ちゃったかと思ったしー」
と、膨れっ面の翼。

「ごめんごめん!電話するの忘れてたわー」
と翼に謝りつつ他の3人に目をやると、

「あ、こいつ悠樹!って、知ってるよな、で、こいつが大輝で
こっちが芯。 見たことあんだろ??」

「あ、うん。でもほとんど初めてだよね?翼の姉のリカです。
よろしくね。」

大輝くんは背が一番高くて爽やかな印象。でもバスケ部ではないらしい。
芯くんは4人の中では一番背が小さくて、でもお洒落さんでかわいい感じ。

「リカ姉ちゃん久しぶりに遊ぶよねー」
といつもテンションの高い悠樹くん。家も近いし翼とは小学校からの親友だから
私も仲が良い。

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