心から好きと言って
『ちょっと何で』

『何でって遅刻したいの?』

『あっ,そうだった』

今頃になって8時過ぎてた事を思い出した

『行くぞっ』

アタシの手をつかんだ

『やめて』

アタシはつかまれた手を振りほどいてしまった

向こうは,かなり驚いてる

『アタシそうやってずっと騙されつずけてきたの,しかもまだ名前も知らないし』

『俺は水田健斗,北島高の二年女にトラウマあり』

『えっ』

『名前教えたんだからほら早く行くよ』

アタシはもう抵抗出来ずに手を繋がれ走った

五分ぐらい走ってやっと校門を抜けた
いや,抜けたというより内側の鍵を無理やり開け入ったって感じ

『あれ結衣ってどこの教室?』

『えーと確かB組だよ』

『俺と一緒』

『本当♪良かった』

いきなり知らない学校で友達がいない1人ぼっちなんて,なんか気まずい

『色々と教えてねっ』

『それって俺の事誘ってる?』

うわっその苦笑い怖い

『早く教室行こう』

『そうだね』

うまく話を切り替えた

って何でまだ手繋いでるの

『ねぇそろそろ手放さない?』

『俺は繋いでたいんだけど』

『へっ』

本日二回目だ、この間抜けな声を出したのは
そんな事はもう今はどうでもいい
それより何を根拠にその言葉を言ったのかが一番の謎だ
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