地味美少女の過去と秘密




この声…聴き覚えがある…。



そして…“紗莉那”と呼ぶのはあいつしかいない…。



「…旭…っ!!」



振り向くといるはずのない旭が私の腕をつかんでいた。



「…どうして…どうしてきたの?」



「みんな帰って来て…っ…雨が降って来て…っ…肝試し解散になった。
お前とペアのやつは帰って来てたけど…っ…。
お前が帰って来てなかったから…っ…可笑しいと思って…っはぁ…。」



旭…息切れしてる。



そんなに急いできてくれたのかな…?



「旭…大丈夫…?」



「ったく…走らせんな、ばーか。」



そう言って旭は鼻でふっと笑った。



< 171 / 302 >

この作品をシェア

pagetop