キミ想い。
アノ男の子
教室に入ったあたしは、まず教室の中を見渡した。

教室の中にいるみんなが、「誰?誰?」とこっちを見る。

でも、1人だけ、見向きもしないやつがいた。

そいつの横顔を見た私は、ドキッとしてしまった。




さっきの男子だったのだ。



その席の後ろを通ると、椅子の背に名前が書いてあった。

[長谷川伊織]って…お母さんの友達の息子!?

お母さん同士仲が良くて、家で拾った子猫の1匹はそいつの家にいるはず…

でも実際会ったことなかったし、ほとんど何も知らない。

それにしても、こんなにカッコイ…違う違うっ

こんなやつだったなんて……


その伊織とか言うやつは、友達と2人でしゃべっていた。

どうやら「イオ」と呼ばれているらしい。


それから入学式が始まるまで、私の心の中はあいつのことでいっぱいだった。

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