美味しい時間


話し終えると、美和先輩がふぅ~っと息を吐いた。私も大きく肩で息をつく。
そして椅子にきちんと座り直すと、先輩に笑顔を見せる。

「で、今に至るというわけです」

「百花は本当にそれでいいの? 私にはそんな風に見えないけど」

「課長と私は立場が違うから、一緒にいたら迷惑かけちゃうじゃないですか」

「東堂課長がそう言ったの?」

「…………」

言われなくても分かってる。だからお見合いのことも大阪支社のことも、
話してくれなかったんだ。
黙って俯いていると、美和先輩が私の頭を小突いた。その痛みに顔をしかめて
先輩の顔を見あげると、何故か怒った顔をしている。それが何故だか分からず、
小首を傾げていると、呆れたように肩を落とした。

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