美味しい時間
胸のあたりをぎゅっと掴むと、その場にしゃがみこむ。
「ちょ、ちょっと百花、大丈夫?」
慌てた美和先輩もしゃがみこみ、心配そうに私の顔を覗き込んだ。
「すみません。先輩、そんなに心配しなくても大丈夫ですよ」
そう言って顔をあげた。それでも美和先輩は、私を抱えるように抱きしめて
いてくれる。
その優しさが身にしみて、ジュワっと目に涙が溜まってきた。ヤバいっと
慌てて目を瞑ると、涙がポロッと溢れてしまう。
「大丈夫じゃないでしょ。強がりは止めたら? ねぇ、何があったの?」
ゆっくりと背中をさすってくれている手が気持ちよくて、少しづつ気持ちが
落ち着いてきた。
人目を避けて場所を移動し、使っていない会議室に入る。
椅子に腰掛けると美和先輩と向かい合い、昨日あったことをすべて話した。