美味しい時間
「百花、そんな顔しないの。相手することないからね」
「う、うん……」
私の力ない返事を聞いて美和先輩は苦笑すると、壁にかかっている時計を見た。
「さっ、フロアに戻ろうか。仕事しなくちゃね。百花のデスク、また仕事が
山のように置いてあったよ」
「えぇ~、やっぱり東堂課長は意地悪だよ……」
机に突っ伏しブツブツと文句を言っていると、そんな私の姿を見て先輩が大きな
声で笑いながら、頭をポンポンっと叩いた。
「そっかぁ、百花は意地悪だって思うんだ。まだまだだね」
そう言うと、さっさと部屋から出ていってしまった。
何がまだまだなのか、さっぱり分からない。
「デスクに仕事の山なんて、意地悪以外に何があるんだろう」
首を傾げながら、私も会議室をあとにした。