美味しい時間

入れ替わりで、鼻息も荒く美和先輩が走り寄ってくる。

「ちょっと、何よあの態度っ。もう奥さんにでもなったつもりっ!?」

「ちょ、ちょっと先輩、声が大きいですって」

そう言うと、先輩はキョロキョロと周りを見渡してから、「ごめん」としゃが
みこんだ。苦笑して、私も先輩の近くに顔を寄せる。

「でも美和先輩、ありがとう」

「何もお礼言われるようなことしてないし」

「心配してくれてたでしょ?」

「ま、まあね……。百花、本当に大丈夫?」

あまり大丈夫ではなかった。でも、美和先輩の言葉に救われたのも事実。

いくら課長が私と別れるつもりがなくても、今の状況からするとそれは難しい
と思っている。だから倉橋さんは、いずれ課長の奥さんになるんだろう……。
でも、お見合いもまだしていないのに、ああも上から物を言われるとは思って
もみなかった。正直、キツい……。


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