美味しい時間
「お前なぁ、強く抓り過ぎだって。痛ってぇ~」
「先に痛いことしたの慶太郎さんでしょ。もうすぐご飯できますから、大人しく座ってて下さい」
まだブツブツ文句を言っている課長の背中を押して、イスに座らせた。
「仕事頑張ってきて疲れてるの。少しくらい甘えたってさぁ」
意地悪だったり、子供みたいだったり……。
そんな課長を見て、小さく笑う。
しょうがないなぁ~。
「甘えるのは、食事のあとにして下さい」
「じゃあ、今日は泊まっていく」
最初からそのつもりだったでしょ? その袋の中身はビールだもんね。
「はい、これで先に飲んでて下さい」
豆腐のそぼろあんかけをテーブルに出して、コップを手渡す。
「いいのか? じゃあ遠慮なく」
袋からビールを取り出すとコップに注ぎ、一気に飲み干した。