美味しい時間

泊まってく……って、そんな簡単に言ってるけど、私の気持ちはどうなるのっ!なんて、私の気持ちや意見なんて聞いてもらえないよね。
はぁ……、また先手打たれた気分。

「それは決定事項ですね?」

腕組みをして、コクンと大きく頷く。

やっぱり……。聞いた私がバカでした。

「百花の着替えも、俺の家に持っていかないとな」

「な、なんでですかっ?」

思わず声が大きくなる。

「休みの日の前とか、俺の家に泊まればいいだろ」

相変わらず、勝手極まり無い。

「多くの時間を、お前と一緒に過ごしたいんだ」

首筋に唇を当て、強く吸った。

「痛っ。何してるんですか……」

「ん? 別になにも」

首をひねって課長を見てみれば、意地悪な顔で笑っている。
絶対に何かしたよね……。

「もうっ。慶太郎さん、これどけて下さいっ」

ギュッと腕を抓って、課長を身体から離した。
< 93 / 314 >

この作品をシェア

pagetop