(短) わたしのツンデレ王子様
「何で泣いてんの?」
離してくれたと思うと今度は
心配そうに聞いてくる龍斗。
言われるまで気づかなかったけど、
わたしの頬には涙が流れていた。
「聞かなくてもおれのせいだよな。
不安にさせて、ごめんな」
また、抱きしめられた。
「うっ…違う…の。
嬉しくて泣いてるの」
「え?」
顔は見えないけど、驚いた顔を
しているのは、声で分かる。
「ぐすっ…、龍斗がね、ちゃんと
来てくれたから。嬉しくて…」
多分、寝てたんだよね?
走ってきてくれて、嬉しかったよ。
抱きしめてくれて、嬉しかった。