(短) わたしのツンデレ王子様


「何で泣いてんの?」


離してくれたと思うと今度は

心配そうに聞いてくる龍斗。

言われるまで気づかなかったけど、

わたしの頬には涙が流れていた。


「聞かなくてもおれのせいだよな。
 不安にさせて、ごめんな」

また、抱きしめられた。


「うっ…違う…の。
 嬉しくて泣いてるの」

「え?」


顔は見えないけど、驚いた顔を
 
しているのは、声で分かる。


「ぐすっ…、龍斗がね、ちゃんと
 来てくれたから。嬉しくて…」


多分、寝てたんだよね?

走ってきてくれて、嬉しかったよ。

抱きしめてくれて、嬉しかった。



< 27 / 36 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop