仮
ギイッとドアを開けると、
先程ノックをしたであろう兵士が立っていた。
やはり、幼く感じる。
15歳くらいだろうか。
金髪の髪にグリーンの瞳。
背丈は私と変わらなさそうだ。
それにしても、
こんな年齢から兵士だなんて…
そんなことを考えてたら
ふいっ…と兵士はどこかに
いってしまった。
ジロジロ見すぎたかな。
気を悪くしちゃったよね…
しゅん、と落ち込みながら
兵士を見送る私を見たオルは、
クククッと喉で笑った。
「なあに落ち込んでるの?」
「べ、別に落ち込んでなんかっ…!」
「ククッ…はいはい、そう言うことにしとこう。あの兵士はきっと、照れたんだろうね。君が熱い視線ばっか送ってるから…」
「え!?そんなつもりじゃっ…」
「君はそんなつもりでなくても
相手はそう捉えたと思うよ?」
「ううう…」
「それにあんまり熱い視線送ってると
僕が塞いじゃうよ?
…なんてね。さて、行こうか」
そう言い終わるとくるり、
と右方向に廊下を歩き始める。
「ふ、塞ぐって…」
ぶつぶつ言いながら
オルの後をついてくキリ。
…そのキリの背後には、先程の兵士が
睨むようにキリを見つめていた。