命風の若き国王と女神




長い長い廊下を歩き始めてたどり着いたのは、
ものすごく大きな扉。

オルの部屋より何倍も大きいこのドアは、
回りを金の小細工であしらっており
いかにもお偉いさんが居ます、
と主張しているようだった。


「我が名はオルフィセス。…開けろ。」


そうオルが呟くと同時に大きな扉がギギギギッと音をたて開く。

扉の向こうは赤い絨毯が引いてあり、
大きな椅子がポツン、とある。
回りには沢山の兵士やら
メイドが並んで立っている。

「…………」

大きな椅子に座っている、
私とそう歳が変わらなさそうな男の人は、
私を刺すように見つめていた。

あ、穴が飽きそうだし
ぶっちゃけ目つき怖いよ…。


「王子…いや失礼、陛下よ。そんな睨まないでくれるか?キリが怖がってる。」

そうオルが言うと私から視線が外れ、
陛下と呼ばれる男性はオルを睨みはじめた。

「んで、陛下。この女の子…キリって言うんだけど、この子がめが…」

「必要ない。」

「……話遮らないでよ。この子がね、」

「必要ないと言っている。」

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