仮
風がおさまり、一息ついたのも束の間、ドアから手を離したことに気付き後ろを振り返る。
「ドア……!」
……何もない。
ドアがなくなって、辺りは砂漠の大地のみとなっていた。
「な、なにこれ…悪い夢よね、きっと」
ぺたりと地面に座り込み、自分の顔を叩く。
ぱちん!!
じぃ~~~んと頬が熱を持つだけで辺りは変わらず砂漠が広がっていた。
「い、痛い…夢じゃない、てことは此処はどこなの?なんで?」
片手で頬を擦りながらそっと砂漠の砂に触れる。
熱くは、ない。
そういえば砂漠って暑いんじゃないっけ?
汗なんて一粒もかいてない自分に気付き首を捻る。
「本当にここ何処よ…」
とりあえず歩こうかな…。
そう考え付いた私は立ち上がり歩き始める。
どこをどういったら着くだなんてわからないけど、まあ座ってても何も変わらないようだし…
キョロキョロと周りを見渡しながら歩く。
何もない。あ、何もなくは無いか。
訂正、砂しかない。
とぼとぼと歩き、歩き、歩き…
「はあー駄目だわっ!!何もないし疲れたっ」
ドスッと砂漠に向かって倒れこむ。
あーあ、やんなっちゃう。
なんでこうなったんだろ…
はあーっ
と大きなため息をついたとき、ふと太陽の光が隠れた。
太陽が雲に隠れたのかな、と思い顔をあげると…