仮
「あれ、疲れちゃったの?」
目の前に目だけ隠れた仮面をした男が居た。
すぐ、目の前に。
「うわあああっ!!」
急いで飛び退くと
「おや、元気じゃないか」
クスクスと笑い立ち上がる男性。
背が高く、全身を漆黒の服に身を包み、目だけ隠れる右側だけ赤い仮面をつけている。
「ああああ、あなたは…?」
いきなり顔がドアップだったため、本当にビックリした。
心臓が止まるかと思った…
「おっと、失礼しました我が女神。私はオルフィセス。オルって呼んでね。」
「オル…?」
「はい、女神。」
ニッコリと笑うオルフィセス…オル。
口元しか見えてないから不気味だけど…それより、
「女神…ってなんのこと?」
さっきから私のことを
女神、と呼んでいる。
私そんな神々しいものじゃないのに…何でだろう?