仮
いつの間にか城下町に着いていた。
レンガを使った建物や、
テントのような建物。
あちこちでお店があり、
ガヤガヤと人で賑わっている。
人々は皆金髪や赤髪と、黒髪は誰もいない。
「わ…え?みんな髪が…?」
「ん、そうだよ。」
「え、だって日本語喋ってるし、え?どういうこと?…」
「あぁ、女神は他国の言葉でも自国の言葉に聞こえちゃうみたいだね。不思議ーっ」
そ、そんな便利機能があるのか
女神ってやつは…
私、女神じゃないと思うけど。
城下町を歩き進め、
金髪や赤髪の人々を掻き分けて歩く。
金髪や赤髪の人々の中に黒髪の私と
黒い服に身を包んでるオル…
やはり目立つみたいで、みんなチラチラと見てきたりなにか話してる。
……居づらい。
顔を俯き加減にし、
オルの後をついていく。
オルは気にしてないようで、
軽快な足取りで歩いている。
聞いたことのあるようなあの歌を口ずさみながら。