「思い出さなくていいよ、まだ。」


「………う、うん?」

本当に分からない人だ、オルは。
だけど、仮面してたから定かではないけど…オルは悲しそうな目をしていた。



歩いてどれだけたっただろうか。
黄土色の砂漠の中を歩き続けて、
見えてきたのは1本の木。

「こんな砂漠に、木…?」

「あ、これ目印の木だよ。ふー、やっとついたね。もうすぐこの国の城下町に着くよ。」


その言葉通り、1本の木を通りすぎた途端に沢山の木々が見え、町らしきもの見えてきた。


「……ねえ、オル。ここ、何処?」

「あぁ、ごめん。説明してなかったね。
ここはフィグライン。命風の国だよ。」


にこ、と微笑むが私は
ますます難しい顔になった。

聞いたことのない国名。
フィグライン…そんな国が
地球にあるんだろうか…


むむむ、と眉を潜めながら考え込んでいると

「ついたよ、キリ」

< 8 / 20 >

この作品をシェア

pagetop