仮
「思い出さなくていいよ、まだ。」
「………う、うん?」
本当に分からない人だ、オルは。
だけど、仮面してたから定かではないけど…オルは悲しそうな目をしていた。
歩いてどれだけたっただろうか。
黄土色の砂漠の中を歩き続けて、
見えてきたのは1本の木。
「こんな砂漠に、木…?」
「あ、これ目印の木だよ。ふー、やっとついたね。もうすぐこの国の城下町に着くよ。」
その言葉通り、1本の木を通りすぎた途端に沢山の木々が見え、町らしきもの見えてきた。
「……ねえ、オル。ここ、何処?」
「あぁ、ごめん。説明してなかったね。
ここはフィグライン。命風の国だよ。」
にこ、と微笑むが私は
ますます難しい顔になった。
聞いたことのない国名。
フィグライン…そんな国が
地球にあるんだろうか…
むむむ、と眉を潜めながら考え込んでいると
「ついたよ、キリ」