恋に焦がれて迷走中
2、迷子な恋

@1 STAY~停~

朝早く、悠斗は帰って行った。


送ると言ったあたしを制して、


「ここで別れよう。」


「悠斗ホントにサヨナラなの?」


「違うよ、離れるだけ。俺達は精一杯4年を過ごしてまた会うんだ。


 そして、その4年間の相手を尊重して将来を見つめよう。判るよね。」


「電話してもいいの?会ってもくれる?」


「もちろんだよ。束縛しない関係だと思えばいい。


 忘れないで、俺は岬が好き。愛しているんだ。」


 未来のある別れ。


そんなことは、到底不可能だろということは判っていた。


それでも、お互いを憎んだり疎ましく思わないで離れたい。


それが、悠斗が選んだ別れの形なのだと理解できた。


冷静で、優しい悠斗らしいやり方。



ずるいよ。


泣くことすらできないよ。



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