“運命の赤い糸”
その日からナオは、病院のベッドの上で、たくさんの管に繋がれた。


俺は病室で1人、ナオの手を握っていた。

温かさのある、ナオの手。


意識はなくとも、ちゃんとナオは生きているって証だった。


「ナオ。俺だよ。ヒロキ」


ナオに向かって呼びかけても、当然反応はない。

ただ眠っているだけに見えるのに、ナオの意識はそこにはない。


ナオ。

お願いだよ。

目‥開けて?

俺、ここにいるよ?

ナオのそばにいるよ?


いくら祈ったって、ナオは目を覚まさない。




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