珈琲に誘われて

「はぁ…はぁ…す…すみま…せん」


息が上がって思うように話せない。
彼は取った獲物をじっと見つめた。


「何に使うの?」


「へ?」


思わぬ問いに間抜けな声を出してしまった。
彼はクスリと笑って「じゃぁ…」と獲物を渡して通りすぎていった。




「いい人で…良かった」




ほっとしてまた坂道を登った。
荷物をまとめて坂の上を見たが彼はもう見えなかった。
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