悪魔の熱情リブレット
「シルシルがママになってくれるの…?」
彼は諦めた。
もうシルシルでも何でもいい。
自分の主が部屋の隅で大爆笑しているのを横目に彼は問い掛けた。
「私がママでは嫌ですか?」
この質問に少女は何を思ったのか、しばらく考えてから言った。
「寝る前にお話してくれる?ママはいっぱい聞かせてくれたの」
「はい。して差し上げます」
「遊んでくれる?」
「お相手しましょう」
「笑ってくれる?」
仏頂面なシルヴェスターには最大の試練だろうか。
彼はひきつった笑みをつくり了承した。
「じゃあ…」
まだ何かあるのかと、シルヴェスターがややげんなりとしてきた頃だった。
「死なない?」
この質問には彼もアンドラスも驚いた。
「いなくなったり、しない…?」
再び、泣きそうな表情で答えを求める。
シルヴェスターはティアナの頭に手を置いて、軽く叩いた。
「心配は無用です。今度のママは強いですから」
「シルシルは強いの?」
「はい」
遠くでアンドラスが「僕よりは弱い」とか何とか言っているが無視。
「他に条件はありますか?」
首を横に振る少女に、シルヴェスターはほっとした。
「では今から自分がママの代わりです。よろしくお願いします」