悪魔の熱情リブレット

シルヴェスターが彼女を抱き上げ、二階のティアナの寝室に運ぶ。

「主が転生したら、ティアナ様は必ず目覚めますよね?」

アウレリアの寝顔を見つめながら、シルヴェスターは銀の天使に尋ねた。

「ああ。約束しよう」

「…わかりました。では、自分は目覚めるまで側にいます。でないとティアナ様が埃まみれになってしまいますから」

世話係も楽じゃない。

しかし、シルヴェスターは嬉しそうに目を細めたのだった。









 眠り姫のように。


百年。


二百年。



神の加護を得て、老いることも朽ちることもなく眠り続けた少女。


そんな彼女にも、夜明けはやって来る。






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