神様がくれた夏
――――あの日に帰りたい。
――――あの日に戻りたい。
「…水涼?」
ガチャっと鍵が開いてはゆっくり扉が開いた。
あたしの視線の先に眠そうな彼の顔が現れる。
いつもはきっちり整えられている髪だが、今は寝癖がピョッコリついている。
今まで寝ていたんだということを悟っていた。
彼の寝癖のついた髪にチョンと触れ、眠そうにアクビをする彼の瞳を見る。
「寝癖ついてますよ。 寝てたんですか?」
そう問えば、彼は、
「…おー」
いかにも眠そうに返答した。
そんな彼にあたしは静かに微笑む。