神様がくれた夏



だめだ。


最悪な気分だ。



どうしようもないくらい気分が悪くなった。




「………」



先輩が会いにきた。


約束をしてキスをした。



普通ならば舞い上がって喜ぶんだろう。


ほのかに自慢なんてしちゃうんだろう。



自然と俯いてしまったあたしの顔を、先輩は不思議そうに覗き込んできては言う。



「どした?」



近距離にやってきた先輩の顔。


あたしはピクリと肩を震わせる。



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