窓際のブラウニー

私の沈んだ気持ちとは正反対の快晴。

3月にしてはポカポカした温かい朝だった。



「行きましょうか」

玄関で靴を掃くお義母さんに手を差し伸べた。


私の冷たい手に温かい温もりが伝わってくる。



なんとも言えない気持ちになる。




はっきり言って、同居は辛いことだらけだった。

その中で時々感じるなぜか温かい気持ちの存在も無視することはできなかった。





「お習字、久しぶりだわ」

送迎バスの乗り場までの間、お義母さんは眩しそうに朝日を見上げていた。



心の中で日々感じる様々な想い。

自分の存在の意味や、この生活への不満。

その中で、芽生えては消えるちょっとした『愛』や『情』。


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