一度の保証(短編集)
「一杯 ジュース飲んでから出るわ」



「うん」



裕馬君は、話しながら座ると、メロンソーダを注文していた。



「どっか行きたいとこある?」



「話しが できるならあたしはどこでも」



「ここでもできるやん」



笑って返された顔が可愛くきゅんっとする。



「そうだけど…」



困って言うあたしに、また裕馬君は笑った。



「嘘やん!うっそ!話しなぁ…
デートにベタやけど、魚見に行く?」



「魚って、海遊館のこと?」



「嫌?」



「ううん。行きたい!!」



「そんな喜ばせれるとこちゃうけどな」



にかっと笑いかけてくれる。笑顔ばかり見せられると胸が大変だよ。



ずっと見ていたい



喫茶店を出てから、電車で一緒に移動するのにも、トキメキっぱなしで、告白なんて、ちゃんとうまく伝えられるのか不安だった。



だけど、あたしには、今しかないから。



その為には、もう一度 聞いておきたいことがあった。



青い海遊館内を、周りにいる仲の良さそうな男女と同じように ゆっくり歩いて 魚とは関係ない話しをするあたし達




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