スロウ・メロウ
◇
それでも、無自覚つーか鈍感つーか。まぁ後者が正しいんだろうが、そんなあおいはというと……
「かじー!焼きそばパンとコロッケパン交換しよ!」
やっぱり色気より食い気か、オイ。
屋上でいちごみるくとコロッケパンをかじりかけた時だった。フェンスの下からブンブンと手を振るあおい。
そばによって、フェンス上から手を差し出してやるとにんまりした。
「久しぶりだな、なんか」
「そうかなあ」
少なくとも俺にはそう感じた。グイッと引き上げてやり隣に座ったあおいは焼きそばパンをガサガサあけだす。