また一緒に、1本取ろう。






卒業後の進路は、みんな決まっていて。


あゆは公立の大学へ進学。


健ちゃんは就職らしい。




そして凌は…警察官になるため、


警察官採用試験に向けて勉強中だ。


その試験に合格しても、しばらくの間は


警察学校へ行かなければならない。




凌が警察官を目指すのは


凌のおじいちゃんも警察官だったから。




そのことを知っているから、


寂しいだなんて、口が割けても言えない。




そんなの私のわがまま。


私は、凌の夢を応援しなきゃいけない。




私のやりたいことって、何?


自問自答を繰り返しながら、


何回ため息をついたのだろう。




警察官には到底なれそうにない、私の性格。


凌と同じ道は歩けないと自覚して、


忘れようとしていた寂しさが込み上げてきた。




…凌は、寂しくないの?






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