恋率方程式
過去と現世で精算
「…私には、親が二人とも、いなかった。」
「…!」
驚きがちに目を少し張るアルト。だが何も言わずに聞きはじめた。
私の過去。
出来るならば消したい。
もう感情が入ることはなかった記憶。
−−−
ここはどこ…?
目を開けると飛び込んできたのは白い部屋。
部屋全体、回り全てが白い。ゆっくりと体を起こそうとする。
だがそれは出来なかった。
うう…っ
体中に付けられた管。
全身が痛い。
その痛さに苦しんでいると何人か人が来た。
「…連れてって」
一人がそういうと回りの人達が自分を引っ張っていく。無造作に取られる管。
痛い…っ!やめて…!!
もがくがそれは無意味に終わった。傷だらけで、体が麻痺する。
降ろされたのはまた白い世界だった
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