恋率方程式
「すまない…」
「…誤ることじゃ、ない」
そういうとアルトを抱きしめた。
今1番そうしたかった。
この暖かさを知って欲しかった。
だが、人に抱き着かれることも抱き着くことも初めてだったのでぎこちなくなってしまった。それでも暖かかった。
「…私は、お前が初めて、だ。」
「…?」
「人を信じたのも、信じて欲しいと思った、のも。」
「…そうか。」
「会って一日しか、経ってない男に、だ。」
そう言って笑う。
「十分信用に値する、男、だ。」
「ありがとう、イチ。」
そう言って笑うアルト。
その微笑みにイチは小さく笑みを返す。
「ありがとう、アルト。」
少し目を開かせたが、すぐに笑顔へと変わる。あの眩しいくらいの笑顔だった。
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