にゃあー!とお鳴きなさい。
「ちょう!マジ信じられないんですけど~!?あたしのバンパー超へこんでるじゃん!?ね、これ、保険下りる~?給料日前なのに~!!」
「あはは!えるめすのバッグ、又今度だね~」
「!?....マジ、落ち込むわ..」
「あ、こいつ!まだ生きてんじゃん!?」
「え~!?マジ!?」
「...こいつのせいだよ!マジむかつく!--ふんっつ!!」
ドカッ!!
「いや!超かわいそ~」
「自業自得!飛び出してきたこいつが悪ぃの!」
「でもこいつ死んじゃうかも~~」
「いいの。ほら、行くよ!!」
「じゃあな。”おちびちゃん”成仏しろよ?」
「死んでも、このお姉さん祟ってね~~」
無音の中にその声は聞こえた。
「ばかね。だから、気をつけて帰りなさいって言ったじゃない」
頭に直接響くような声。
返事がしたいのに声にならない。
全身が酷く痛んで仕方なくって、体中が熱くて、五感がシャットダウンされたようで本当に何も感じることができなかった-----なのに、その声と、香りだけは感じることが出来た。
なんだろう?鼻をくすぐるような好い香り--------
めまいを起こしそうな強い香りに包まれて、俺はそのまま意識をなくした。